おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

遠い空にでも 君は見とれたもの

風のゆく先を知らぬ身で恋しがる

今日も少しの火と水

暮らしはつづいて

誰もゆく先を知らぬまま散るまで

今日も少しの息をして

野辺にうたう

 

呼んだか

呼びもせぬか

居もせぬか

実は居るのか

尽きぬ問いを飲み込め

 

遠い空にでも

君は見とれたもの

それが答えというほかないと思えて

こんな小さな手も

わずか月日を知って

いつか看取るまで重ね

還るまで見送るなら

 

誰の言うことか

世はもう知らぬままで

閉じるがいい

虚しくとも

切にねがう

 

目覚めたか

苦しいのか

決めることも

決めぬこともできる

この身を捨てぬよう

 

聞こえぬ先の色までも

君は見とれたもの

何か答えというものを遺してゆくなら

どんな小さな思いも

拾い共に持とう

いつか朽ちるまで重ね

大地に然と立てるまで

 

そっとうたえよ

風のゆく先を知らぬなら

なんと愛おしい命だろう

 

遠い空にでも

君は見とれたもの

もうね 答えというほかないと思えて

こんな小さな手も

わずか月日を知って

順に還るまでそっと

重ねてゆくだけでしょう