おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

少女の駆ける町

傷口に浸みる雨

泣いたら負け、と

泣いてもいいよ、が

歯を食いしばらせる

 

もう忘れてしまいそうな

あの人の残した町

守らなきゃ

 

ぎゅっと縛って

また滲む包帯も

掻き消せ掻き消せ

雨の音

 

幼などき

口ずさんだ歌など

今さら出てきてくれるな

 

進め進め

守るために狩る

矛盾どうしを

食って死なせよう

 

もう消えてしまいそうな

あの人の影

ちらつくどころか

 

其処かしこ

駆けてもじっと残る

振り切れ振り切れ

雨の音

 

放り出された

いくさ場に情けなど

言ってられるか

かけてくれるな

 

掻き消せ掻き消せ

雨の音

 

幼などき

口ずさんだ歌など

今さら出てきてくれるな