おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

海の前に立つこと

海の前に立つとき

清らかでなければならないような

呪文

それさえ流そうと

波音きて

 

海の前に立つとき

痛みが少しやわらぐような

錯覚

それでもいいから

涼風吹き

 

海の前に立つとき

心が溶けてなくなるような

幸福

それすら失くしても

不幸紛らせ

 

海の前に立つとき

愛されぬ者にも寄り添うのか

呆れ

それから泣く

日差し見え

 

海の前に立つとき

人であっても人でなくてもいいような

何かしらの母に許されたような

安堵

それこそ土台

根強くあれ

 

海の前に立つことは

唯一我を救う

呪いながら

救いながら

海の前に立ち

物思う