おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

うきよまつり

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくから

…ゆきたい気もするけど

 

あぁ艶やかに

あぁ嫋やかに

浮世なぞる、かわす、染めるひかりよ

 

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくでしょう

もう彼の地にいるのかもしれない

 

鮮やかに

気づかせぬほど

揺れる、連れてゆく、辿る、思い思い巡り巡り

 

神に託す罰当たりか

贄のような美しきか

人知れずに起こること故

何百何千の時を平気で超えた

 

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくから

…ゆきたい気もするけど

 

帰りたいのか

知らぬ地へゆきたいのか

やはり帰りたいのか

そもそも居た場所なのだろうか

 

秋祭りの明かりが迫る

何度めかの時

あぁ夢に見たことがある

いや現実に辿ったことがある?

 

あぁあの道も

あぁこの道も

すべて曳き道なのだ

白昼、見え隠れに気付かぬだけで

 

いちばん強まる日なだけだ

明かりが伝手となり導くまでだ

曳きこまれてゆくでしょう

ゆきたい気がするでしょう

 

恐ろしいことではない

何を勘違いしているのか

うきよの祭りに紛れて

一人、また一人、ゆくだけさ

偶偶の話

 

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくから

…ゆきたい気がするでしょう