おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

時空守

ほらまた、人影が見えた

思っていたよりも騒がしい街だな

あぁ、果たして街と呼んでいいのかなど

屁理屈はさて置き

 

ひとまずベンチに座ろうぞ

見た目、古めかしいが

存外しっかりしている

このまま3年と言わず30年300年居続けて

ただ眺めるだけとは、いかないか

 

時空守の

恐ろしきは

その役目にあらず

果たすための耐えるための

精神を保つことだけさ

 

珍しい、少女が迷い込んだ

意識ははっきりしているだろうか

追い返す、連れてゆく

そんなことより先

出来るなら

ここのことから全て忘れてはくれないか

 

仕事とはいえ辛いものがある

そんな感受を失くしたから任命されたわけでなし

最初はただの一般市民だったのです

ということになっているのです

自分でも分からぬことに胸を張れないが

 

時空守に

怯えずとも

もっと怖い現象(モノ)が待つ

だから、ある意味大丈夫だ

精神を保っているだけで

 

何も守れない

実体を持たぬ身に

頑丈な身体を与えて

何の役目降らすと言うのか

そもそも己が保てるのか

 

時空守の

日記も感情の動きも

消えるか

置いてきたのか

連れて行ったのか

 

時空守の

恐ろしきは

その役目にあらず

果たすための耐えるための

精神を保つことだけさ