本当は望みがあったはずだ
物言わぬ塊となったのはいつ
駅から家までたかだか20分歩くのに
哲学を巡らせているような
ただダダをこねているような
夜に紛れさせて
つまらなくとも朝を迎えて
落ち着ける魂
かりそめの安心
理想とは違うものだ
言い聞かせ方がうまくなっただけ
髪を結い、ほどき
あとは生理現象と少しの物欲
90年、生きたような
今、産まれ堕ちたような
社会のせいにして
足早に通り過ぎる自分の影
嘆き散らかした分
抜け殻になる明日
夜に紛れさせて
つまらなくとも朝を迎えて
落ち着ける魂
かりそめの安心
続く予感