通りすがりの苦しさだった
やさしい陽を受けるとは
まさかこの背も思ってなかっただろう
川の流れ思い描いてた
歌に出てきた嵐山
やっと来られた
1人きりだけど
誰にも知られぬように
小さく口ずさもう
制服の彼ら彼女らには
分からないよなんて嘯いても
重荷抱えたふりをする
自分が可笑しくなるだけさ
通りすがりの苦しさだった
朝の風がゆくときは
少しこの背を伸ばしていたいような
異国の人と橋を渡る
なんとなくで安らぎを
分け合っているなんて
思いこんでみたり
せせらぎはいつまでも
続かないよなんて先走るクセ
ぼーっと眺めている分には
ひととき何も感じなくていいんじゃないかって
通りすがりの苦しさだった
優しい陽を受けるとは
まさかこの背も思ってなかっただろう
川を下る船を見ていた
歌に出てきたその景色だ
やっと来られた
1人きりでも
通りすがりの苦しさだった
思えただけでも
来てよかった