夏を呼ぶ日

夏の日を憶えている

それは懐古ではなく

熱い体を憶えている

 

逃れられない運命のような

ただの思い込みのような

 

ふと、目を覚ますと

分からなくなるのは

死ぬまでずっと

生きてもずっと

だけど、

もっと深いところで

やけにぼやけたところで

 

記憶、追い詰め、問い詰め

夏を呼ぶ

 

夏の日を憶えている

決して悔やむではなく

痛い傷を憶えている

 

幼子の大袈裟のような

一生引き摺るような

 

ほら、産まれ堕ちることからして

選べないでしょう

溶かせないでしょう

だから

きっと救い上げる

ずっと見守っている

 

文月、巡らす、辿り着く

夏を与える

 

誰も憶えていない

不確かさに目を剥くほどだ

縋りつくだけなら、太陽

容易く許すのだろう

 

記憶、追い詰め、問い詰め

夏を呼ぶ

 

また確かに巡り来た日

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