夜の徒然

夏の夜は

愛(かな)し人を思う夜

涼し風に触れて

唄をうたう夜

 

木霊の中でまた

灯を見たり

死を見たり

それでも吹く風に

夏の夜は過ぎる

 

只一つも唄えぬ我

熱い孤独と闘った

祭りの前

人の無い瀬を見て

ただ居た

この地平よ

祭りの後 人気の無い

あなた一人に焦がれたら

思いの外

やるせなさと

愛おしさで満たされる

 

過ぎし夜は

哀しことを辿る夜

激し雨に打たれ

唄を恨む夜

 

暮れなずむ世界は

そのままで

絶望で

だからこそ吹く風に

夏の夜を生きる

 

只一つも守れぬ我

責めず責められず生きるのか

蛍の灯もともらぬ街に居て

ただ知る

正しさなどは…

蛍の灯も枯れる街で

持ちつ持たれつ

生きる

死ぬ

 

夏の夜に

ひとり

あなたを想うと

心が風に吹かれぬと

辛く苦しいこととなる

心に風よどうか吹け

夏の夜の空の不可思議

愛し君

我が命を懸けてでも

我は愛する唄うたう