交錯


交錯

悲しいこともあるという

僕は生い茂る草の中に隠れ

愛しいものを愛しいと言える季節を待っている

 

夜明けの街の冷えた空気を吸って気づく もう秋

ビルの間に明けるオレンジ その色はふるさとと同じ

 

悲しいって言ってもいいかなぁ

目の前で倒れ込む彼女(ひと) 捨て置いたけど

 

優しい人でありながら 傾ぐ思いもあるだろう

慣れない空に怯えても 正しい時はやってくる

 

自転車でゆく一本道は 誰に望まれてる?

幼いままに不幸ぶってさ いつまでとらわれてる

 

交錯する 過去・現在(いま)・未来よ

「自分を愛せ」

戯れ言がまた聞こえてくるね

 

優しい人になるために 重ねた嘘もあるだろう

苦しむために生まれたの 

誰が言ったか 夕暮れに

 

アダルトチルドレン

泣きたいのは 辿れば誰のせいでもなく

悲しいよね やり場のない幻覚(いろ)によどれた

 

優しい人に会うという 僕の祈りにも似た希望破れ

愛しい者は愛しさゆえに 何も言えずに佇むけれど

 

愛しい者よありがとう 生まれてくれてありがとう

ひとり、草陰 息潜めながら そんな言葉を待っている

言える季節を待っている