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秋の夕暮れ

散る葉に心摑まれ

真冬より怖いのは何故

 

まだ生きているのに

ひと風ごと

肌に胸に来る予感

 

秋深まれば揺れ惑う

 

言の葉に縋りひとり

冷えゆく季節の前

成す術なく

 

秋の夕暮れは私を覆い

心は何処まで行くのか

何の夢でもない浮世

辿りながら暮れる

 

沈む日 街を赤く

ひと筋だけ悍ましさ覚え

 

あぁそうか

逢魔が刻

美しさに紛れた道

 

―さぁ通りゃんせ

 

秋の夕暮れ 私を飲み込み

心が何を叫んでも

心が何を叫んでも

夜半より深い闇が呼ぶ

 

秋の揺らぎよ

暮れゆく引力(ちから)よ

合わさり

この世で一番恐ろしい時をつくる

 

秋の夕暮れ 私を追い込み

心穏やかな春の日が

鮮やかに過ぎゆく夏が

凍てつく冬さえ恋しい

 

秋の夕暮れ 私を呼ぶのなら

いっそ惑わぬほどの力で

何の夢でもない浮世

辿りながら暮れる