おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

春や呼ばじな

ぐやん続くね あんたや養生して 春ん桜には間に合わんでも とうじんなかちや ならんごと 人の寄り合いの好かんとやろ そいならそいで よかたいね 好いたもんば ようけ食べて なんとか起き上がるっごと ぐやん時にね なんもせんがよかろでん あんたの性分にや…

月ばかりの罪

痛みを覚えるのが先で 曇った眼を正すのを忘れていた かといって日なかの一人歩きは 連れ立ちに不足あり この世から浮ついている どうしたって行き場はなかった もう月しか 帰る場所はないのに 追いつめられたら 姫にもなれない 土曜の人波に酔い 春はいずれ…

知らぬ汽笛が鳴る時は

夢に覚めても虚ろ時 眠り落ちても震う身に 故事に倣うまでもなく どこにいるかは不確かで 高く隔てた壁の中 知らぬ汽笛が鳴る時は 思わずにいられよか ひとつ確かにある輪廻 時を飛ばして数えてた 古い毒に育てられた身に 伝え噺をするまでもなく いつにいる…

水流れがあれば

水流れがあれば生きてゆけると 確かに思えた14の時が 大人びてると陰で言われて 捻くれてゆく音のした 海の綺麗に騙されないわ 大抵称える故郷の歌も 雁字搦めと引き換えでしょう そっぽ向いて放ってやるわ 渡り廊下の緑に惹かれ 立ち止まってた訝しの子は …

捨て場のない爆弾

捨て場のない爆弾をいつまでも 理解あるように見えてきた世にぼかされる 柵から解放されたいなら 己1人で身を立てる力が必要 暦だけ律儀 日捲りの空しさ 愈愈孤独どころではなくなって 暮らし向きの雑事に追われる 愛に酔ったふりなら僕にもできるけれど ど…

海の伝え

遠浅の影拾いが 得意呼ぶ暮れどき ただに揺れ招く手が 本物かどうか 知らぬうちは 1人で海へ、行かんごて 夕焼け小焼けの鐘 素直に帰らん子供の なんとか言い訳考えて 並べたとて所詮 浅知恵の界隈 呼ばれて海へ、行かんごて 躊躇いの放課後も 渡せない彼是…

かたくな

時そばかと思うたけど 違うていて ただの数かぞえきれんかっただけのこと もう指折るほどの者でなし 思い出も 行く先も とどのつまり 言い得て詰まり もう夢も青春も両手に失ったか 哲学に寄せても 日々は座りの悪いだけ 消化試合は嫌だけれど 帯に短しなん…

やぜかたより

言葉尻を捕らえて 捨てられたと踏んだ 楽になるための 方便でしかなかった 自分より老いている者は大抵 先に病み先に死ぬ それをさも真っ当な理由のように 便りを寄越すせからしさ狡さ もう取り払っていいだろか 生憎1人で飯食う分には さして困らない出来合…

世は何時の娘

待てど暮らせど来ぬ人は きっと人生に縁なき人 もう忘れ去るまでの砂時計 目で追うこともなくていい 霞む日和が 春のこと 移ろいやすくて それでいて確か もうこれ以上描けないと 決めてかかった海寄りの窓 声も出せぬ先に嫁ぐくらいなら 変わり者だと呆けて…

ひとごみのひとり

本当のひとりぼっちは 部屋にぽつりか 人混みの中の一人か ずーっと考える脳みその中身が さみしく思えたのは内緒 だって自分が宇宙のような 虫けらのような気になって 自分など虫ですらない ごみですからと繰り返し 生まれてすみませんを言い聞かせたところ…

苦から何年

思い出すだに 日和かぞえる 癖のついたこと思うばかり 溶けることあっても 消えはしない 記憶にやられる前 こちらから攻める 人の防衛本能と 覚えてしまう異能が この小さな体の中で 戦って戦って 何年 あぁ嫌でも思い起こされる 傷と呼ぶには深すぎる 抱い…

よいどれの湯屋

magic かなしみを潤す係 湯を沸かし 宵の人を待つ 掛けて堪えた三連の 滝が打つなり 越えてくる magic ただただ愛おしむ月 湯は滾り 宵の人の列 掛けて三茶の寄り道ばかり 街はささくれ 明日も無き身

宵の遣い

肌は膿む 宵待たず 気を遣る手前 夢まぼろしに見せる術がある 花を匂い 間も持たず 身を遣る定め 親の言いつけが効いてくる年の頃 もう二度と揺り起こすな 初恋に定めた 彼の人の 文も捨て 気も断った あとは遣わせられ行くだけよ

月を誰が奪った

女泣かせの月の唄 誰も彼もと愛せない 雨の滲む音のして 宵は眠りを呼ぶばかり 女泣けども便り無し 昔噺のようでなし 帰りついた隣人の 音だけ響く宵の壁 女泣くなら1人きり 誰が奪った愛の唄 宵に託け実を漁る 影ばかり見える地からの月

【替え歌ができた】壁になりたい

現実じゃなくても~ 推しカプじゃなくても~ あなたが思う幸せ 感じて~ 壁に~なり~たい~ 何ひとついいことなかった人生で 沈みゆく心に火(強火)をつけてくれた~ (あなたが)生まれてきたことを~ 幸せに感じる~ 環境悪くたっていい あなたの~(家…

理と思考

恨みごとを数えるよりも 前を向けという人は そう思える環境で育ったんだろうなと 恋も楽しみも邪魔する冷静は 染みついて消えないものだから ただの自己紹介に終わらないように 痛い女にならないように どうしたって人との関わりは 絶てないものだから 理念…

無味乾燥の出どころ

嫌な人間にならないように気掛けたところで 嫌な人間にならないだけで 良い人間になれるとは限らない 何者にもなれずに終わるのが関の山 目標を立てるなら 何かをしない、という禁止より 何かをする、という実行を 掲げたほうがいいと聞いた そうか この発想…

思考の中に生きている

私という器が 脳で考えているとは とても思えないのよ 思考がどこまでも広がって 絶え間なく巡り続けて その中に身を置いている感覚 いいえ I was bornの感覚で 堕とされた気がするの 思考の中に 力に押されるように 生きた振りをしているだけ 心の領域が 広…

終了時

意地でも振りかぶった 投げた先は見据えずに もうサイレンの けたたましが残った 明日には忘れられる そんなつもりで戦ってない 一生残ること 今もう知るくらいには 懸けたから 懸けたから きれいな台詞は今は言わない

外は雨、その内に

そっと指先に触れた あなたは言葉少ない 怖くなんてないよ どんなふうに伝えよう 窓の外 稲光の 差し込む陽ならまだしも やらかくは生きられない 気質あらわしてるような もうね 連れていってよ 一息に切り裂くような 心積もりでいいから そっとなぞるだけの…

過程の話に行き着くところ

大嫌いなあの人庇う あなたまで嫌いになる 敵か味方でしか判断できない 幼さが あなたの心まで 100%欲しがっている なるべく言わないように 表に出さないように 気をつけてるのだけど 逆に溜め込んだ物が 一気に溢れてしまう罠 私が泣いても傷んでも 平気で…

欠けよ月

さぁ欠けてゆきな この世のいざこざに構わずに 其方の営みが何よりの 導となるのだから まだ欠け足りない 暗い振りした空に 浮かぶ節 少しのことで身を病ます 難儀な少女がいたもんで 大人になっても取れないときた それでも構わず なんならお願いだから 欠…

周回遅れの星行き

いつだって周回遅れ 惑ったぶんの付けがくる いくつも星を回るうち どこにいるのかも分からなくなって 必死で走ったダム回りの 足が縺れた公園の 置いてけぼりの白い橋も 海だけ見ていた展望台も いつだって期待はずれ 此方の責と分かっている 気づいたら1人…

苦難の願い

肌に合わない布を着る この星の暮らしがおよそ馴染まぬ 便りは確かに伝えても 綺麗な星願いに消される アイスクリーム頬張って にこやかに宵を過ごす人たちは もうそれでいいじゃないか 通信は病める者にと そんなことばかり言っているから 届かないのか も…

酷な話ね

綺麗な残酷などない 物語になった時点で ある程度は見目いいように繕われている だから本当の残酷を持つと 死するほかないような気になるでしょう? だからもっと教えた方がいい 親は子に 師は弟子に 愛とは別のところで 必ず残酷のあることを

大地のうた

大地は誰のものか 考えはじめた時 もう傲慢が出ている 自分のものでないことだけは確か それを捨て置いた時点で 考えは破綻している 大地は誰のものでもない もしくはほかの誰かしらの 明らか人ではない何かしらの ものだろうに

潜める

身を潜めたいという 願望というより 切迫が 生まれつきあったような気がするの そうしなければ 呪い殺されるような 切迫が いつも付き纏っていた気がするの 何にも悪いことしてないのにな 生まれたときから 後ろめたいの なんでだろ

たまの愚痴

昭和はある面で おおらかであったろう しかしその陰に苦しみがあり歪みを生み 今でもその犠牲となっているものが 市井には溢れているのだから 手放しで礼賛する奴は いい思いをしてきたのだろうと 冷めた目で見ている 理不尽に殴られて怒鳴られて 育っても …

君への空白

妖しい宵明り 人波消えて 恋か命か問われるような 君と逆さまの帰りみちなら 諦めもつくと 声を聞いたのよ 穢れの世界で 笑う君はまぶしく 手を取れば 僕も少し 純粋になれるような夢を見てしまった どうすれば埋められよう 君への 空白の時を 思い致す間に …

関わりと断ち切り

いつからか送らなくなった happy birthdayも 心から思っているわけではなくて 義務に急き立てられていたから 立ち消えたのね 自分の生活に 埋もれたわけではなくて 愛情は 無いといけないという縛りだけ強く 実感として 持ったことはないから 今日も何事もな…