おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

ふうか

偶の見舞い

臥せった姿を部屋の入口 隙間から 見ていた姿が頭に残っていて どうしても離れないから 気を揉んで 珍しく 顔を見に行ってしまった 柄にもなく 此方の憂いなど知らぬよう 気の毒とは程遠く 彼女は窓の外を見ながら 澄んだ声で歌っていて 呆気にとられた僕を…

いとしの世界と君

baby faceのいとし人 今日も素敵に歌ってら 花を摘む空を見る そんな凪さえ忘れてさ candy voiceのいとし人 今日も無邪気に笑ってら 風を切る星に乞う そんな規律も放ってさ 君の見る世界が好きだ どんなもんかも知れぬけど 君のいる世界が好きだ この熱を僕…

ともにふらつこ

ぐらついても 今日は仕舞い 客の来ない寂れ酒屋 酔い振り 手を待ち 身を雪崩れさせて 今日は宵宵 ともにふらつこ 目を擦れば 今日は仕舞い 客の引いた街の並みも 良い振り 面持ちに騙されて とろける乙女 今日は宵宵 ともにふらつこ

耐える繊細児

繊細であることを 事、主張しようとは 一度も思ったことなくて なんなら恥ずかしいから 隠し通せないかなと 思案錯誤に忙しい ただただ暮らしてゆくために 繊細であることが 自分と同居するために 必要な毒は吐かせて 必要な智をあたえて 繊細であることは …

気の乱高下

また外気は乱高下 おどけた振りの生真面目が 生き馴染むまでに数十年 名残り惜しむことに数十年 すぐに仕舞うと 先達の あらまほしきと 唱えずとも 教えてくれているではないか 気は巡り季もゆくではないか 其れにつられて乱高下 行ったり来たりの心根が た…

残響

心砕ける音のする 自分の中でしか響かない けれど大きく残る 喉の詰まる 絵画を覚えるように 記憶に景色を残すように たとえば 物心つくまえの たとえば この星に来る前の すべてが今ここのように 残る性分です

神の子等

www.youtube.com 世界を変えてしまうような神のみなしご 人里遠く離れた村に生まれた1人の少女 伸ばした髪を2つに結い 逞しく駆け抜ける 母の愛を知らぬままに1人育った少年 空を見上げ問い続けた その瞳は強く 2人が出会う時 声が胸に目覚め来る 世界を…

春は貴女を連れてゆく

来ましたよ 気だけで遣られる春先が 先刻便りは認めて 貴女と離れたことを悔やむ 語らいたかったわね この気の中で 長閑のふりした 連れゆき癖で 幾らだって狂うことも 情に嘆くこともできるでしょう 貴女と連れ立って 歩きたかったわ それなら少しばかり 正…

さよなら きれいな歌

祈る振りで 誤魔化さないように 僕は汚い人間だと 確と自覚して 足先定めよう きれいな歌に依らないように わだかまりは 時間がたっても 僕に蔓延る細胞だ 取り除くには 一生じゃ足りないや 捻たまんまで終わったとしても 祈る振りで 誤魔化すことだけは 僕…

愛とどく

www.youtube.com 毒が回るようよ 知らない毒が 夜泣き鳥も静まるころに 触れる肌には熱持って 何方とつかぬ手を取って 2人 野を駆けた少年が いつの間に大きな背をしていたの 愛されるとは こんなにも息詰まる 神も知らない贅沢な朽ち方 気を遣る情歌 夜風障…

貴方の隣

果てるときは 貴方の隣と決めている もしかすると 人の世では理になくても 歩幅合わせること できないのに 好いたものだから 焦るほどに 遠ざかるから追い縋る 悪循環は 胸の中でどろり 生き意地汚く 傷つけられても 心痛めても いいから、いいから 果てると…

遠い背

追いかけるには 君は大きな背中 世の影知らずの純粋が どれだけ眩しく 憎たらしくもあったか 分からないでしょ たまのたまに 男に生まれた人 此方だって 選ばず女に生き 焦がれるものに 名をつけようとすればもう 恋になる だから 追いたくなかったのよ 遠く…

人と季の呪い

またあてられる人の気 凝りもせず賑わいの街へ 久しぶりの神宮前 坂を人が埋め尽くすのが 避けて歩きたいよ あぁそういう奴だどこだって 負けて学ぶより すっと消えておくようなさ 太陽は来て 気は冷えて あべこべ名のつかぬ 季節の手前 入り混じって 混乱す…

春や呼ばじな

ぐやん続くね あんたや養生して 春ん桜には間に合わんでも とうじんなかちや ならんごと 人の寄り合いの好かんとやろ そいならそいで よかたいね 好いたもんば ようけ食べて なんとか起き上がるっごと ぐやん時にね なんもせんがよかろでん あんたの性分にや…

月ばかりの罪

痛みを覚えるのが先で 曇った眼を正すのを忘れていた かといって日なかの一人歩きは 連れ立ちに不足あり この世から浮ついている どうしたって行き場はなかった もう月しか 帰る場所はないのに 追いつめられたら 姫にもなれない 土曜の人波に酔い 春はいずれ…

知らぬ汽笛が鳴る時は

夢に覚めても虚ろ時 眠り落ちても震う身に 故事に倣うまでもなく どこにいるかは不確かで 高く隔てた壁の中 知らぬ汽笛が鳴る時は 思わずにいられよか ひとつ確かにある輪廻 時を飛ばして数えてた 古い毒に育てられた身に 伝え噺をするまでもなく いつにいる…

水流れがあれば

水流れがあれば生きてゆけると 確かに思えた14の時が 大人びてると陰で言われて 捻くれてゆく音のした 海の綺麗に騙されないわ 大抵称える故郷の歌も 雁字搦めと引き換えでしょう そっぽ向いて放ってやるわ 渡り廊下の緑に惹かれ 立ち止まってた訝しの子は …

捨て場のない爆弾

捨て場のない爆弾をいつまでも 理解あるように見えてきた世にぼかされる 柵から解放されたいなら 己1人で身を立てる力が必要 暦だけ律儀 日捲りの空しさ 愈愈孤独どころではなくなって 暮らし向きの雑事に追われる 愛に酔ったふりなら僕にもできるけれど ど…

海の伝え

遠浅の影拾いが 得意呼ぶ暮れどき ただに揺れ招く手が 本物かどうか 知らぬうちは 1人で海へ、行かんごて 夕焼け小焼けの鐘 素直に帰らん子供の なんとか言い訳考えて 並べたとて所詮 浅知恵の界隈 呼ばれて海へ、行かんごて 躊躇いの放課後も 渡せない彼是…

かたくな

時そばかと思うたけど 違うていて ただの数かぞえきれんかっただけのこと もう指折るほどの者でなし 思い出も 行く先も とどのつまり 言い得て詰まり もう夢も青春も両手に失ったか 哲学に寄せても 日々は座りの悪いだけ 消化試合は嫌だけれど 帯に短しなん…

やぜかたより

言葉尻を捕らえて 捨てられたと踏んだ 楽になるための 方便でしかなかった 自分より老いている者は大抵 先に病み先に死ぬ それをさも真っ当な理由のように 便りを寄越すせからしさ狡さ もう取り払っていいだろか 生憎1人で飯食う分には さして困らない出来合…

世は何時の娘

待てど暮らせど来ぬ人は きっと人生に縁なき人 もう忘れ去るまでの砂時計 目で追うこともなくていい 霞む日和が 春のこと 移ろいやすくて それでいて確か もうこれ以上描けないと 決めてかかった海寄りの窓 声も出せぬ先に嫁ぐくらいなら 変わり者だと呆けて…

ひとごみのひとり

本当のひとりぼっちは 部屋にぽつりか 人混みの中の一人か ずーっと考える脳みその中身が さみしく思えたのは内緒 だって自分が宇宙のような 虫けらのような気になって 自分など虫ですらない ごみですからと繰り返し 生まれてすみませんを言い聞かせたところ…

苦から何年

思い出すだに 日和かぞえる 癖のついたこと思うばかり 溶けることあっても 消えはしない 記憶にやられる前 こちらから攻める 人の防衛本能と 覚えてしまう異能が この小さな体の中で 戦って戦って 何年 あぁ嫌でも思い起こされる 傷と呼ぶには深すぎる 抱い…

よいどれの湯屋

magic かなしみを潤す係 湯を沸かし 宵の人を待つ 掛けて堪えた三連の 滝が打つなり 越えてくる magic ただただ愛おしむ月 湯は滾り 宵の人の列 掛けて三茶の寄り道ばかり 街はささくれ 明日も無き身

宵の遣い

肌は膿む 宵待たず 気を遣る手前 夢まぼろしに見せる術がある 花を匂い 間も持たず 身を遣る定め 親の言いつけが効いてくる年の頃 もう二度と揺り起こすな 初恋に定めた 彼の人の 文も捨て 気も断った あとは遣わせられ行くだけよ

月を誰が奪った

女泣かせの月の唄 誰も彼もと愛せない 雨の滲む音のして 宵は眠りを呼ぶばかり 女泣けども便り無し 昔噺のようでなし 帰りついた隣人の 音だけ響く宵の壁 女泣くなら1人きり 誰が奪った愛の唄 宵に託け実を漁る 影ばかり見える地からの月

【替え歌ができた】壁になりたい

現実じゃなくても~ 推しカプじゃなくても~ あなたが思う幸せ 感じて~ 壁に~なり~たい~ 何ひとついいことなかった人生で 沈みゆく心に火(強火)をつけてくれた~ (あなたが)生まれてきたことを~ 幸せに感じる~ 環境悪くたっていい あなたの~(家…

理と思考

恨みごとを数えるよりも 前を向けという人は そう思える環境で育ったんだろうなと 恋も楽しみも邪魔する冷静は 染みついて消えないものだから ただの自己紹介に終わらないように 痛い女にならないように どうしたって人との関わりは 絶てないものだから 理念…

無味乾燥の出どころ

嫌な人間にならないように気掛けたところで 嫌な人間にならないだけで 良い人間になれるとは限らない 何者にもなれずに終わるのが関の山 目標を立てるなら 何かをしない、という禁止より 何かをする、という実行を 掲げたほうがいいと聞いた そうか この発想…