おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

a lost child

大通りを1本入れば

急に異世界のようで

只の少しの坂道が

重い歩に思えて

 

最近じゃ出歩きもしないから

迷子にもならなかったけど

そうか本来

異世界の子

生まれ変わったんじゃない

思い出しただけ

 

自分の涙の拭き方も

忘れてしまったというのに

傷を作ればその分

元を取らなきゃなんて思いを駆る

貧乏性も抜けないもので

 

鍵さえ落とさなきゃ

幾らでも走れ

 

眠たくて口舌ることも

できやしないや

子供っぽいからじゃなくて

向ける先がないからさ

 

そうだ本来

異世界の子

生まれ変わりよりも

今生を生きる力が欲しくて

 

自分の心の在り方を

問うてるうちに消えるんだろな

思いめぐらせたその分

ポイントでもたまればいいのだけど

 

眠り落ちそうでも

道端です

頑張って帰れ

 

また大通りに戻れば

安心と落胆

同時にくるのも珍しいけど

そういう生き物だったこと

思い出すだけ

宵に堕ちる

曜日も忘れた鳥が鳴く

草原は少し苦手

薄い肌に残る

あなたの手が

気配までも

 

今夜このぬくもりを

持ってこのまま死ねたら

幸せ不幸せより先

あぁ生きていたと思えるわ

 

言葉たらず

あおる不安

それさえ愛おしく思える人と

触れるだけで

もうそこは

いつの間にやら天国だわ

 

髪を辿り宵は深く

こんなにも柔らかだったか

自分の心が不思議なものね

息も詰まる

 

泣き出しそうだと

知られたくないわ

幸せ不幸せに酔うより

あぁ生きていると思うほうが

 

相変わらず

優しい目をして

見透かすような

包むような

触れるたびに

もう何も考えずにいられるわ

 

宵は深く

それが明けるなら

離れるまでの

まやかしを見ましょう

 

今夜このぬくもりを

持ってこのまま死ねたら

幸せ不幸せより先

あぁ生きていたと思えるわ

散るまでの花火

キャラメルラテの冷たさが残った

帰りついても休まらない心と

どうして渇きが残った

こんなはずじゃ

繰り返して

倒れこんでも針が

耳にうるさいだけ

 

あぁ夏は

駆けまわるためにあるはずだった

海よ木よ

夜空花火よ

恋しがれば夢にでも

 

あぁ夏は

汗かきベソかきの間に

気づけば終えていること

もう知っているでしょ

何十回も

 

残りを数える身になって

いつの間に来たの

怖くなって

項垂れ横目に窓の外

高速の明かりのほか

花火はないか

 

探し始めたら末だとしても

 

あぁ夏は

雨に濡れ乾いてやってくる国だ

明けよ暮れよ

謳歌してのち

虚しさまで美味しく味わって

 

あぁ夏は

蒸せど弱れど愛しいものだ

気づけば終えているそれが

一生に似て

数えるのに使ってしまう

 

記憶と一緒に

思い出していたことも

また思い出す

 

置いてけぼり泣いたこと

花火見る群れに逆流して

息を上げた夜

 

あぁ夏は

行くこと教えるため来るようだ

天よ風よ

思い託しすぎて

惜しくなるのも一興と

 

あぁ夏よ

清らかではない身にも

気づけば終える

針とともに

夜空花火よ

追いすがるように

ぱらぱらと散る

取り持つ哀しいメロディー

昼寝覚めの間に雨は降り込み

見て見ぬ振りもできたもの

髪切る飯食む

雑多は幾らでも並べて

 

現実で現実を遠ざけよ

今生では叶わぬと云う楽もある

 

夕風吹き込み

そぐわぬ高速道路の

明かりと車の音

 

いやに懐かしい人が夢に立つ

言葉聞き取れぬのに

追い詰めてくる

いつまでも夢見るは

若い証拠と言われたけれど

 

過ごすに過ごせなかった

子ども時代をなぞっているだけでしょ

 

いつまで

 

夜汽車が音立て

これは現か

境目に立っている気が

 

思えば

夢見はいつまでも続く

記憶の整理が尽かぬから

 

降り込め

雨くらい飲んでやろう

崩れるなら私だけじゃなくて

世が皆少しずつ歪んでゆけば

気づかず消えてゆけるでしょう

ふーかの慣れない街歩き

地図を鵜呑みにして近道は

迷って疲れて遠回りになる

もう何回だって学んだはずなのに

まだ雨前だから歩いてみた

 

都会だって思った街も

一歩入れば木に虫に鳥に

五月蠅く涼しい

日は暑い

 

せっせと知らぬ坂道を

上ることになろうとは

だって名前からして海街だと

思いこんでいたからさ

 

やっぱり国道通るのが1番早かったな

サンダルの先も擦れる

ぎこちない歩は進む

息も切れる

 

平面図では分からない高さ

まさか開けた海が見られるわけじゃないけど

ベイブリッジの端っこが見える気がする

気がしただけで全く違うものかも

 

そんなことが幾つもあったね

思い込みと体力なしで

帰り道はパラつく雨

いいさどうせ今日は何もない

 

濡れて歩くのに少し酔ってる?

いつぶりの気分だろ

 

田舎の柵が嫌いでさ

なんとか抜け出した気でいたのに

雨に木に海の気配に

こんな弱いなんて思わなかった

 

平気で走れる

鍛われた強い人が

恨めしくなっても

この虚弱で感じ取れる世界を

見る一生だと思うとき

 

田舎も都会もないかもね

名は体を表して

よくも悪くも

風を受ける一生

2人の瞳で見ている景色

君の見た海は綺麗だった?

泣いてばかりも ほら

退屈な気がして

 

君の見る景色が綺麗なのは

目の前のそれより先

君の瞳が澄んでいるから

 

そんな気がして

恨めしかったり恋しかったりだ

 

青はきらめく日に落ちて

揺れて人の一生を飲む

君は気づきもしないまま

隣りで遠い息をしている

 

あなたの苦しみは今日も多い?

捉えきれないのがもどかしくて

距離をとりそうになる

 

あなたの見る景色が曇っているのは

私よりも沢山の思いを孕んでいるから

 

それは分かって

だけど遠くて寄り添えないよ

 

赤は地球を染めるため

夕暮れだけに現れる

あなたは気づいて その奥を見て

私の知らない息をしている

 

添えるならそれが1番いい

そぐわぬなら離れるがいい

時間空間

食いつぶしても学んできた

寄り添えばつらく

また救われること

 

君の見る景色を見たくて

心曇らぬように唱えても

綺麗に生きてきたわけじゃないから

むずかしいな

 

あなたの心に添いたくて

気の利いた言葉を探してみる

一度泣いたら少しなら晴れるかな

世界潤んでゆくかな

 

単純なことしか浮かばない

愛することは底が見えない

今君のあなたの瞳で

見ている世界に添ってみたい

 

それがもしかすると

一生かけてたどり着ける

青と赤と寄り添える世界

そっと歌う君のこと

紺と白の色違いで

お気に入りなんだね

日替わりで着てる

風を含んで少し揺れるワンピース

憎らしいくらいお似合いだね

 

そっと歌うその声が

消えればいいと思ったころ

今さら恋なんてしないし

伝える言葉も忘れたよ

 

そのままの君でいいと

よく聞くけれど

僕はまだ

もう少し此方に目配せ

くれないかと待ってる

 

ハズカシイから言わないけどね

 

花を摘んで数える子なんて

今時まだ生息してたんだ

少し笑っちゃうくらい

読めない行動と心を

掴まえたくなる

 

そっと歌うその声が

耳より先

胸に来るころ

だってさ恋なんて言えないし

確かめるすべも忘れたよ

 

明日また君の色を

探して歩く僕もまた

草むらに道化と化す

苦しい心少し溶かす

 

明日が来るならいいんだけどね

 

そっと歌うその声が

響きすぎて毒にもなるころ

かくや恋だと認めたら

薬になる日も来るものを

 

そのままの君でいいと

気障な台詞を言えるかな

僕もほら

菜を摘み届けるくらいは

心残してるから

 

そっと歌うその声が

苦しくも会いたい声

3号線の夜道には

国道3号線ひた走る

もう温かい場所にはいられない

それなのにいつまでも幼な気分

チェーンの外れた自転車

捨ておくわけにもいかず

 

大声で歌ったら捕まる

溜めこんだらバランス崩す

すぐに入れ替わり立ち替わり

チェーン店の看板が煩い

だけど入ってゆく

 

今までたった1つでも

思いのままに駆けたことが

あったろうか

あったろうか

街灯がちゃんと続いてゆく

 

国道3号線は眠らずに

ちゃんと寂し子の味方でいる

それなのに置いていかれた気分

自分で駆け抜けていくくせに

 

夜中に口笛はオバケが来る

爪は切るよ平気で

またね入れ替わり立ち替わり

取り留めのないことが流れてゆく

歪な心根

 

今までたった1度でも

此処にいていいのだと

許されたような

扉開いたような

気持ちはあっただろうか

 

国道3号線を走り続けている限り

どこにも行けないよ

どこかへ続くけど

寂し子のお道化花火

誰にも捕まらない代わり

誰にも言えないことが増える

愛ではない欲情とは

幸せな人には、わかりっこないから

向こう向いて

好きにしてて

不幸な人には、引きずられるから

こっち見ないで

勝手に生きて

 

そんな思い違いが後に

戦を生むか

平穏でいられるか

 

遠い遠い隣人の

光を受ける時は

恨めしくて

とても近くに感じる

天空人を

求めることもあるよね

 

何人たりと

見捨てること勿れ

泥に塗れた古い書物には

そう書いてあったそうな

 

今宵さみし人心には

一粒必要

酒か心遣りか涙か

何でもいいから紛らわせて

人の振り見て

我はどう生きるか

 

幸せな人には、わかりっこないよね

向こう向いて

好きにしてて

Dear. かなで

もう9時も過ぎて

晩ごはんも終わったのに

我慢できずに開けるクッキー

またボロボロこぼしてまぁ

 

顔おおって

しょげたってダメよ

ちゃんといい子にしてなさい

 

バラバラの世界軸の

隅と隅

偶然繋げて

あなたのパパに出会ったのよ

うんと抱きしめてもらいなさい

 

つるっと滑って転けないように

ううん少しは痛い思いしながら

逞しくなってゆくのよね

お星さま見上げたりして

 

じっと目を凝らしたら

少し近づく気がするでしょ

おやすみの前に見てみなさい

 

サラサラと風流る

端と端

偶然はじけて

あなたのパパに出会ったのよ

たくさん手を握ってもらいなさい

 

ニッと笑って合せ鏡

出会う人たちもきっと

ほほえんでくれるわ

 

バラバラの世界軸の

隅と隅

偶然繋げて

あなたのパパに出会ったのよ

うんと抱きしめてもらいなさい

ずっと生きてゆきなさい