おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

うたをおしえてくれたひと

うたをおしえてくれたひと

わすれてもわすれないように

おまもりのようにもっときな

そんなこえがいまきこえる

 

うみにむかってあるくより

うみのそばにいきて

それでだいたいのことは

だいじょうぶなんだって

 

よわいいきものとして

まよいおぼれることあっても

うたにならいくらでも

みをとしていいんだよ

 

うたをおしえてくれたひと

わすれてもわすれないように

おまもりのようにもっときな

そんなこえがいまきこえる

朝の唱え

起き抜けの

道惑い

誰かが指した気がしたから

虚ろに

付き従って

また落ちる

現実

 

遠ざかるもの遠ざかれ

何度唱えても

身に落ちない

 

思ってもないことは

口にするもんじゃないな

 

何時ぶりの

紅をさし

導かれてる気がしたから

似合わぬこと

望まぬこと

構わず繕うよ

 

去るものは追わぬことにする

何度唱えても

身に染みない

 

嫌に先立つ

すべき論は

縋るもんじゃないな

落夏

突き刺さった矢が取れないうちに

責め来る敵の惨いこと

風一陣、惑ううちに

流る世の波

 

二の矢、三の矢

蜜の味して

平静はどこへ行った

 

忘れ得ぬ夏

子に孫に負わすか

痛みは賭して止めて

悲しみだけ留めて

 

儘ならぬ右手に気を取られ

広がる傷にも気づかない

やがて火を吐くよう

熱は上がりきった

 

二の手、三の手

策打つ彼に

この歯痒さがわかろうか

 

手紙など携えぬほうが

還りつけると聞いた

ならばなぜ今

この身は動かぬ

 

忘れ得ぬ夏

子に孫に負わすか

痛みは賭して止めて

悲しみだけ留めて

border

どこにいたって自由だって

歌った歌があったなあ

けれど果たして

僕の身は1ミリも入ってこなかったんだよ

 

あぁ世は見えぬ位

金でも出自でも色でもなくて

見えぬけれど確かに強い

境目があるような気がしてならない

 

それが解けるまで生きられようか

見えぬ者には見えぬ故

吐いてこの世に置きさまそうか

 

自分の意味を探すとか

一度きりの人生だとか

高らかに唱えるその人に

果たして見えていたか

 

あぁ世は見えぬ位

才でも思想でも愛でもなくて

見えぬからこそ確かに強い

境目があるような気がしてならない

 

虹のようにグラデーションを

誰も彼もを包むことを

是とする世に背くようで

時代遅れ甚だしいけれど

 

あぁ世は見えぬ位

見えぬからこそ確かに強い

境目があるような気がしてならない

 

思いこみに明け暮れていずれ死ぬ

その時までずっと

そんな気がしてならない

盆にも帰られぬ不幸者

蛍、今宵は鳴く癖も

控えた町に静まって

昼間の汗をさます人

 

迎え棚にはとりどりの

思い注ぎもある家に

ゆかり集まり賑わいも

 

盆にも帰らぬ不孝者

其方の気には馴染めずに

苦し思いをすることも

 

陽の翳りには待つ癖も

泣く子黙れよ 祈る火を

灯して馳せと唱う人

 

墓に向かえば列成して

宵の灯りも盛りにと

花火バケツも抱えても

 

盆にも帰らぬ不孝者

好いて供えも嬉しかろ

なんでこの身が消えたろか

 

激し爆竹ひびく道

せめて音でも届くなら

悔しこの身も昇れたろ

 

盆にも帰らぬ不孝者

帰る影でも浮かべてよ

思い描いて満たしてよ

 

盆にも帰らぬ不孝者

もうね、この身は忘れてよ

好いて供えも嬉しかよ

 

好きに花火も鳴らしてよ

届くふりでもするけれど

帰るふりでもできたなら

 

盆にも帰られぬ不幸者

呼んで朝日を待つよりも

宵をゆるりと過ごしてよ

逆さ流れの電車

人がどんどん消えてゆく

逆さ流れの電車に揺られ

隅っこ車両はいよいよ

私1人になったみたい

 

暮れろ暮れろ

構わずに

暦はもう遠ざかった

 

涼しいはずのワンピースが

冷えて心地も砕けそう

なんで乗ってきたのかを

忘れそうになる今も

忘れぬうちに帰ろうか

 

暮れの景色

尊いばかり

人は愛でても

私には

 

蒸されたはずの街色が

やけに透明、夢心地

すぐに怖くもなるものよ

生きているかも知れぬ今

生きてるうちに帰ろうか

いとしの music

ときたま詞より心打つ instrumental

一生勝てないな

せめてあの正体を知らぬまま

死んでゆくことのないよう

 

心を埋めて

音楽の中を

泳ぎたい

掻き乱されたい

 

だって唯一

この世で唯一

苦なくできること

music

ああなんて愛しの

music

 

時を忘れて

古ぼけた今に

刺さる

包みこんだり

 

もうそれは

magic

逃れられない

magic

 

心を埋めて

音楽の中を

泳ぎたい

掻き乱されたい

 

だって唯一

この世で唯一

苦なくできること

music

ああなんて愛しの

music

一節、うたってみてよ

私の足がまだうごいたころ

街は駆けゆく対象だった

そこのけそこのけ

何様でもないのに

ずいぶん偉そうに走っていた

 

私の足がいうことをきかなくなって

心までしぼんでしまったの

情けなくてね

私をはねのけてゆく人が

何様なんだっておこりたくなる

 

そんなことを繰りかえしてゆくのかもしれないな

灯りの川に

川岸に沿うように

もしくは我関せずと

ゆらりゆらり灯りは流れてゆく

 

錘持った老人と

思い致す大人たちに

囲まれて幼子は

見様見真似

手を合わせた

 

微笑ましくも拙くて

何にも知らぬことすら愛おしい

 

今になってわかる気が

年端も行かぬ少女の頃

ひとつ覚えに刷り込まれて

決して間違ってはいなかった

見様見真似

手を合わせた

 

風は止む

あなたが祈れば

風も起こる

あなたが望めば

 

たとえ最後の1人になっても

馬鹿みたいに唱え続けるように

川流れに思い致し

じっとじっと手を合わせた

 

人の身体が傷つくことを

柔き心を痛めることを

決して許してはならぬのだ

 

見様見真似

手を合わせた

幼子が

何も知らぬことすら愛おしい

 

唱え確かに伝えるよう

強い思いで手を合わせた

青のメッセージ

今が幸せかどうかの願掛け

服を着るのと同じように

降り積もる苦しさを自分のものにしようとした

 

いつのまにか

背負うことがアイデンティティみたいになって

空の青、だから何って

言うこと恰好つく気もするけど

 

希望も絶望も酔ったら最後

お前の見えるものに懸命であれ

姿も見えない神様の所為にはできないね

自分であるための唯一の手段

 

今が何処か

わからないくらいの生まれ変わりに惑うけど

空の青、精一杯

許される中で見せてくれてるはずで

 

希望も絶望もしょったらいいよ

それくらいの身体は持ってるでしょう

か弱い苦しいって言うけど

それも含めて自分である証拠

 

希望も絶望も酔ったら最後

お前の見えるものに懸命であれ

姿を見せるのは空の青

神様の所為にはできないね

自分の目で

今決めるよう