おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

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記憶のはじまりからいい思い出はない

虚ろなままきたから感情の持ち方を知らない

 

大きな背中いつか小さくなってくとか

何かの本で読んだけど そんなことあるだろうか

 

私どうかしてるかな

 

きれいな気持ちだけじゃなくて

それは今も変わらなくて

ありがとうなんて言わないけど

あなたがいなければ私生まれてない

ただそれだけ

 

安らぐはずの家に入る時

いつも息をのんで怯えてた

どこよりも嫌いなハコ

 

三つ子の魂 引きずってさ

 

歪んだ気持ちぶつけられず

歪んだままでここにあって

大好きなんて言えるはずないでしょ

教わってないものは返せない

 

あなたがいなければ私生まれてない

 

今言えるのはそれだけなのが まだ幼い証拠だろうか

それだけでも言えるのは 成長した証だろうか

 

きれいな気持ちだけじゃなくて

それはきっとずっと変わらなくて

ありがとうなんて絶対言わないけど

あなたがいなければ私生まれてない

ただそれだけ

朝のリズム

何に任せても晴れぬこの身の

 

起きているか寝ているかではない

生きているか死んでいるか

そもそも生まれたのか

to be, or not to beですらないのね

 

もう、だめかもなんて

物心ついてから何度唱えて

それでもつづく体を疑うこの日

 

空は晴れた

予定外のあたたかさには慣れてないのよ

もう手を携えて歩く者などなくていいから

ひととき

息をつかせて

たしかに在ると

我思う、以外の

証をください

海はそこにある

悔しいから目を逸らす

どうせ伝わらない感情のあれこれ

わざわざ選んで砂浜を歩くわけでなし

ただ生きているだけなのに

海はそこにある

 

もうちょっとどうにかなったろってさ

懐深く持てなんてさ

大した意味なく吐かれた言葉まで

離れないけど

 

見知らぬ街から

届く海風

抗おうってこと浅はかに思えるね

悔しいから目を逸らすけど

残念でした!

海はそこにある

 

青くって嫌になる

心地いいことばかりは起こらない日常

耳を澄まして求めてるわけでなし

何なら閉ざしたいくらいなのに

海はそこにある

 

塗りつぶしたいような光景が

ぎゅっと詰まった朝昼晩

都会じゃないから心優しいなんて

ウソっぱちだけど

 

あと数十年を

励ます波音

消えたい、より

まあいっか、がわずかでも勝ったら

青くって嫌になるけど

捨てたもんじゃない!

海はそこにある

 

見知らぬ街から

届く海風

抗おうってこと浅はかに思えるね

悔しいから目を逸らすけど

捨てたもんじゃない!

海はそこにある

 

捨てようがない!

海はそこにある

恋が遠ざかる

いつまで似た影に惑わされるの

街を歩くの 避けて通れない毎日の使命で

 

昔の記憶だけで分かるはずないよ

短い髪もまっすぐな瞳も変わってるかもしれないのに

 

まぶたの裏に焼きつくとはこのことか

まぶたの裏に焼きついて離れぬのだ

 

なんでどうして

制服の日を引きずるように過ごす時

いつしかこの世の全てとさえ思えた恋が遠ざかる

 

幼い笑顔ならまだ少し作れるよ

染みついてるの 仮面のように気持ち隠すこと

 

それでも君の前 嘘みたいに僕は

素直でいられた 泣いたりもして

変わってくこと知らずに

 

手を繋いでた坂道覚えてるよ

手を繋いでも不安だった気持ちも

 

駆けめぐる時

制服の裾 砂にまみれたあの海も

いつしか空も赤く染まっていた

恋が懐かしい

 

まぶたの裏に焼きつくとはこのことか

まぶたの裏に焼きついて離れぬのだ

 

なんでどうして

制服の日を引きずるように過ごす時

いつしかこの世の全てとさえ思えた恋が遠ざかる

戯れ言言う魂

人の死ぬ夢はよく見るものだ

ベースの低音が迫って来るように

すぐにでもそこにあると教えているのか

不要なことだ

 

わかっている

産まれ堕ちた時から

わかっている

産まれ堕ちる前から

 

何度も転生した魂を

甘く見ないでくれ

 

老婆のような物言いで

仙人のような物思いで

幼い日から過ごした不思議が

今、解けようとしている

 

人の思うことは大抵わかるものだ

映画に出てくるような能力でなし

当たり前のように察する

察せずにいられぬものか

 

息づいてる

産まれ堕ちた時から

息づいている

産まれ堕ちる前から

 

何度も荒波に耐えた魂を

甘く見ないでくれ

 

少女のような危うさで

神童のような不思議さで

死ぬ直前も過ごすのだろう

今からもう、わかっている

 

驕り高ぶった者と言われればそれまで

元より

万人にわかる感覚ではないと

知っている

 

老婆のような物言いで

仙人のような物思いで

幼い日から過ごした不思議

 

何度も転生した魂を

甘く見ないでくれ

月夜懺悔


月夜懺悔

赤い灯をともすまで

赤い灯をともすまで

祈るな 世の民よ

息もできぬのだ

 

赤い灯をともすまで

あなたが必死で駆けた町

誰も気づかぬそのうちに

戦は終わり世は清らか

 

命は尽きたのか

まだ辛うじて形だけ留め

だから誰も気づかぬまま

戦は終わりを告げた

 

黄色い月が昇るまで

あなたが必死で唱えた呪文

誰も気づかぬ宵の内

妖は静かに去った

 

心は果てたのか

ただ耐える力の強いだけ

決して誰にも気づかれぬまま

ひとり静かに世を守った

 

ヒソリ ヒソリ シズカニ

ヒトリ ヒトリ ヨヲマモッタ

 

赤い灯をともすまで

あなたが必死で駆けた街

祈るな 世の民よ

心軋んで なお清らか

とかく、頭も垂れる月夜

 

赤い灯をともすまで

赤い灯をともすまで

夕刻夜刻

夕やけ小やけ

やさしい唄がきこえた

帰らなきゃ

どこへだろう

いつの話?

もういいのに

もう縛られず縋れない

 

夕やけ小やけ

口ずさんだのにな

そばから消えてく

どこだって行けばいいさ

もういいから

もう認められず否定もない

 

夕刻夜刻

惑えば勝ち

迷えば負け

ひとりあそび

終わりそうもない

 

夕やけ小やけ

やさしい唄

残酷に鳴る町

 

たしかに覚えている帰り道が

きのうか、あすか、まぼろし

 

夕刻夜刻

曳き唄ほど恐ろしいものはないでしょう

 

夕やけ小やけ

たしかな夜明け

待って、もうだめかもしれない

 

夕刻夜刻

曳き唄だって構わないほど空虚なの

夕やけ小やけ

ぼんやり口ずさんでなぐさめるわ

つづくあめと

何故に止まない雨の音

人より強くなりたいだとか

贅沢言ったことなんてないのに

 

何故に立てない彼の大地

遠くへ思いを馳せることなら

誰にも負けず縋っているのに

 

何故に耐えない降る病

時折浮世は幸福だとか

夢を見せてもぶり返す

 

何度だってぶり返す

お前に幸福など

渡すものかと渡すものかと

果たして前世

何の業を成した

何度だってぶり返す

 

もはや生きていることが

病に罹っていることか

 

何故に止まない雨の音

朝の移ら

捻たことなら幾らでもいえるのに

肝心な優しさは1ミリも出てこない

 

例えば狭い部屋で

広い宇宙で

彼女が痛んでいるのを気づいていて

救うなんて以ての外

もっと傷つけくらいに思っている

 

私の心を救った彼も

必ず周りに人がいて

その中で歌うものが綺麗事に見える

あぁ歪んでいる

わかっていても

 

自分が可哀そうな生き物

それゆえの

それしきで嘆くなと苛立ち

輪をかけて可哀そうな生き物に

なってゆく

いずれ腐って消えるかもしれない

それでも大して痛手は無い

 

朝日は嫌に入り込む

今日は雨だと聞いていたから

内心楽しみにしていたのに

 

不幸せなら皆で浴びて

そもそも雨を不幸と思うことがいけないね

どうりで幸せになれないわけだ

 

優しいのが一番いいことくらいわかってるよ

だけど優しい人だらけなら

この世はとっくに潰れてる

汚い思考も才だと唱えなければ

やってらんないよ

 

こうやって鬱々と

捻たことなら幾らでも出てくるのに

肝心な優しさは1ミリも発動しない

幻を見た

幻を知った

幻と出会った

どうしようもない奇跡の中で僕らは出会った

 

幻を見た

幻を知った

幻と出会った

どうしようもない奇跡の中で僕らは出会った

 

幻を見た

幻が好きだ

幻を見た

幻が嫌いだ

 

幻を見る自分が嫌い

幻を見る自分なら信じられる

 

私が生まれ生き死ぬることは

どうやら幻みたいだ

私が生まれ生き死ぬることは

どうやら幻みたいだ

 

幻を見た

幻を知った

幻と出会った

どうしようもない奇跡の中で僕らは出会った

 

幻を見た

幻を知った

幻と出会った

どうしようもない奇跡が

「せめて」とくれた出会いだ

 

どうしようもない奇跡の中でこそあった

出会いだ

 

幻を見た

幻を知った

幻と出会った

どうしようもない奇跡の中で僕らは出会った

 

私が生まれ生き死ぬることは

どうやら幻みたいだ

私が生まれ生き死ぬることは

どうやら幻みたいだ