おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

さくら通り

中野通りの桜を見に来てね

泣いちゃうかもしれないよ

 

季節なんてもう何だっていいと嘯いてた君だけど

この風ひとひら感じれば思い変わるかもしれないよ

 

ねぇ まだ胸には重い誓い

ほら 溶かしてよ 少しずつでもいい

隙間から日の光も差すでしょ

 

中野通りの桜を見に来てね

笑えるかもしれないよ

こんなにあたたかい風吹く季節

今しかない浮世の魔法

 

景色なんてもう何だっていいと うつ伏せてた君だけど

この桜色つづく道 歩いてきてほしいよ

 

ねぇ 僕ら時には思い違い

もし約束通り会えなくてもいい

君がこの春色の中にいてくれれば

 

中野通りの桜を見に来てね

泣いちゃうかもしれないよ

 

風にひとひら舞うのも

懐かしい思いさえ揺り起こすから

 

中野通りの桜が降るとき

笑えるかもしれないよ

泣いちゃうかもしれないよ?

自死について①

自殺者が後を絶たない。

それは「辛い状況」が引き起こしたのか、

いや「本人の気の持ち様」で食い止められたことなのか、

もしくはその両方、ないし別の要因が絡み合っているのだろうか。

 

自ら死を選んで実行することについて。

先に言っておきたいが私は自死を推奨しているわけでも

仕方ないと容認しているわけでもない。

 

ただ、よく言われる「命を大切に」の標語に沿ってなんとなく、

いけないことだとは分かっているつもり。

だけど納得はしていない。

「命を大切に」と唱えるだけで人間の自死を止められたら苦労しない。

 

誤解を恐れずに問えば、そもそも自死はそんなに悪いことなのだろうか。

命は大切にしないといけないんだから。

周りの人が悲しむから。

生きたくても生きられない人がいるのだから与えられた命を全うしないと。

これらの言葉はすごく真っ当で眩しい。

ほとんどの人がこれらの常識を知っている。

だけど実感できていない場合は?

知ることと身のうちから納得して実感していることは似て非なるものである。

 

生きていれば悲しいことが起こる。苦しい時がある。

それが「死にたい」と直結してしまう思考を私は否定しない。

人が「死にたい」と口にしたとき、

「それはいけないことだ」とだけ唱えても、解決にはならない。

弱って生きる道が見えない時に、

人が「死にたい」を止めるにはそれ相応の「実感」が必要になる。

 

それなのに頭ごなしに「死んではいけないから」と唱えて

人間誰しも持ちうる「死にたい」という感情まで抑えつけて

無かったもののようにするのは根本的な解決になっていない。

 

「死にたい」ながらも、ひとまず「死なないでおく」ことができる理由が必要だ。

「生きる」ことが厳しくなった時、その対極の「死ぬ」しかないわけではない。

積極的に「生きる」なんてしなくていいから、「死なないでおいて」ほしい。

 

そして、その理由は。

簡単なこと。

「自分が大切」だから。

小学校の道徳みたいなキレイゴトで一見バカみたいだなと書きながら思うのだけど、

まさにその小学校くらい(というか、もっと幼い時から)刻みつけないといけない

1番大切な実感だと思う。

 

確かある小学校の先生だったと思うが、

「命は大切」と1000回教えるより

「あなたは大切」としっかり教えることが大事だと言われていた。

私は、なるほどこの感覚こそが自分に足りないもので

なおかつ自死を止める理由でもあると納得した。

 

自死を望む人がいて、物理的に縛りつけるなどして止めることはできるかもしれないが

本当の意味で本人が「死なないでおく」、できれば「生きる」ためには

この「あなたは大切」を身に心に叩き込まれて

「私は大切」だと実感できるということが不可欠なのだ。

 

生きていたら辛いことがある。

生きていたくなくなる。

「死にたい」という感情が浮かぶ。

その「死にたい」を消し去るのではなく

「死にたい」と、ある意味共存しながら、

それでも「私は大切」だと実感を持って、死なないでおいてほしい。

 

そして、もし余裕があれば

「生きて」ほしい。

周りの人と「あなたが大切だ」と伝え合ってほしい。

 

私自身、偉そうなことは言えないし、

自分のことしか考えてないし、

生きることに理由や実感に辿りつけたわけではないけど。

とりあえず今は「死なないでおこうかな」くらいの途中地点。

まだ思考を続けていきたいと思う。

ねがい


ねがい

緑の羽根(かぜ)が揺れる空

心は惑うようにできてる

遠い闇夜に見てたのは

言い訳のないその瞳

 

時よ今 流れてくれ

悲しみを負う者にとり

時よ今 流れてくれ

君だけが希望なのだ

 

いつかはかえる魂も

望んですぐには出会えない

遠い闇夜が続くのか

蛍火はまだ見えぬのか

 

時よ今

悲しみなど何処にもないような体で

時よ今 流れてくれ

彼女が気づかぬうち

 

時よ今 流れてくれ

悲しみを負う者にとり

君だけが希望なのだ

あぁ今 流れてくれ

病じゃない 間違いじゃない ―a HSP singing


病じゃない 間違いじゃない

なんて実の無い浮遊の世界

体中が怯えてる

違う次元で生きてるような 生きてもないような

とある誰かに言わせれば“病”

容赦なく切り離す

あてない薬を与えられても 落ちつくはずないでしょ

 

ただ生きたいよ

ねえ間違いなの?

嘆く君に もう全力で伝えたいことは

 

きっと延長線上

病じゃない 間違いじゃない

繊細さ故に傷つくだけ

そうさ延長線上

病じゃない 間違いじゃない

惑う星の上にいるだけ

 

どこまで行けば普通の世界

ひとしきり泣いても

四六時中が戦いね

不安は増すばかり

 

borderは誰にも引けない“病”

なのに何故突き放す

社会全体が冷たいね そんな気がするよね

 

ねえ通りすがりの 彼にも聞いてほしいよ

思い込みだけで 心は滅ぼせてしまうから

 

みんな延長線上

病はない 間違いはない

余計な言葉で締めつけないで

そうさ延長線上

病はない 間違いはない

存在してる時点でもう・・・

 

延長線上

病じゃない 間違いじゃない

他の誰かに見えないものも

君が見たなら・・・

 

きっと延長線上

病じゃない 間違いじゃない

強い感受(おもい)に震えつづけた 君も延長線上

病じゃない 間違いじゃない

惑う星の上で今日も

 

みんな延長線上

病はない 間違いはない

余計な概念(ことば)は捨て去ってくれ

そうさ延長線上

病はない 間違いはない

存在してる時点でもう・・・

 

病じゃない! 間違いじゃない! 

汎詞

本当は望みがあったはずだ

物言わぬ塊となったのはいつ

 

駅から家までたかだか20分歩くのに

哲学を巡らせているような

ただダダをこねているような

 

夜に紛れさせて

つまらなくとも朝を迎えて

落ち着ける魂

かりそめの安心

 

理想とは違うものだ

言い聞かせ方がうまくなっただけ

 

髪を結い、ほどき

あとは生理現象と少しの物欲

90年、生きたような

今、産まれ堕ちたような

 

社会のせいにして

足早に通り過ぎる自分の影

嘆き散らかした分

抜け殻になる明日

 

夜に紛れさせて

つまらなくとも朝を迎えて

落ち着ける魂

かりそめの安心

続く予感

夜の闇が地平を包むけど

都会の空はやけに明るい

 

彼はきっと

私との時間を丁寧になぞりながら

明日はどんなことが起こるんだろうって

胸はずませてる

 

嫌いじゃない 当たり前だけど

彼のような人には初めて会った

 

私きっと 憶病や苦しさが

いつも先回りしてる

誰にもこの心は侵させないと

言い聞かせてる

 

応えきれない想いなら

突き離してみるのもいい

応えきれない想いだからこそ

大事にしてみるのもいい

 

揺れてる

 

こんな私を想ってくれるなどと

どこまで奇跡に溢れるこの世界は

 

私は見る

彼がいつか笑顔で染まる日を

 

静けさが眠りを誘うけど

どうしてだろう 夢に落ちない

 

彼はきっと

私の仕草や少しの意地悪を

申し訳ないくらい気にかけてる

胸わずらわせて

 

迷惑じゃない むしろきっと

彼のような人になりたいんだろう

 

私きっと 怖くてたまらない

いつも震え続けてる

誰にもこの苦しみ分からないと

壁をつくって

 

応えきれない想いだと

突き離してみるのもいい

応えきれない想いだなどと

決めつけなくてもいい

 

揺れてる

 

こんな私を想ってくれるなどと

どこまで奇跡に溢れるこの世界は

 

私は見る

彼がいつか笑顔で染まる日を

 

彼もきっと

―hopeless

景色を見ないお前

この星はつまらないものだと嘆くお前

 

意地みたいになって

俯いてた隅っこの席

 

もうすぐ着く

疲れた人の群れ

ホームに飛び込む

帰りつく

別に安心もできない部屋

 

泣くな、泣くな、泣いたら負けの

戦いが今

誰も誰のことも気にしない都会で

始まって静かに終わる

 

どうせなら暮れてくれ

今日は少し早いから

夕餉のじんわりが

ささやかな懐古が

 

明日もゆく

朝から人の群れ

ギリギリ飛び乗る

行き着く

つまらないとすら吐かないままで

 

泣くな、泣くな、

泣いてもいいと歌う彼女は

素知らぬ顔で通り過ぎ

輝きの中に消えるのだから

 

泣くな、泣くな、泣いたら負けと

言い聞かすほか

誰も誰のことも気にしない都会で

息は続かない

liar


liar

酔うわけでもなく
ただふらつく足引き摺り

雨に濡れた夜の道を辿るだけでも
癒せないや

liar
1人でも 
抱いてくれる腕を探した夜

liar
嘘でも
結ばれたいなどと願ってしまった夜

嘘でも
1人でも
liar
liar

なぞる指絡む時
苦しみさえ証に

あなたじゃない
誰かじゃない
神様でもなく
自分への

liar
もういいよ
好きなだけ抱いて壊してほしい

liar
何処かへゆけるなら
いっそ手段は選ばないわ

嘘でも
この身に余る

liar
1人でも
抱いてくれる腕に縋った夜

liar
嘘でも
救われたいなどと願ってしまった夜

嘘でも
liar
liar
liar

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

あのね、僕ね、

人間のフリをしてみたんだ。

むずかしかったよ。

あのね、僕ね、

泣いたり笑ったりの

人間になりたくて

あのね、僕ね、

食べたり眠ったりの

人間になりたくて

 

どこかの星からやって来た

僕はひとりでやって来た

誰かの為か分からないよ

僕の心かも分からないよ

 

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

むずかしかった。

 

こんなに言っているけど

僕も いつまでも いつまでも

 

人間のフリをするのはむずかしいいんだろうな。

よろこびの夜


よろこびの夜

ジングルベルのない道も 12月には変わりなくて

やたら輝く街を出てここまで来たの

 

降り来る雪を払う

 

遠くて泣きたくなるよ

悲しみも どうせなら近くにいてくれればよかったのに

 

懐かしむ人も無いから 淡々と歩を進め

1000年前の息吹とは話すことできるの

 

あぁ僕はひとりで

 

遠くて泣きたくなるよ

誰かには伝わる 近づける気がする

希望的観測(ねがう)夜

 

どうして泣きたくなるの

魂よ

時はそう 思うより早く過ぎてゆく

 

降り来る雪は積もり

あぁ僕はひとりで

 

遠くて泣きたくなるよ

悲しみも どうせなら近くにいてくれればよかったのに

 

どうして泣きたくなるの

ラララ

メロディーに呼ばれた よろこびの夜ね

あぁ ひとりの道