おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夜の闇が地平を包むけど

都会の空はやけに明るい

 

彼はきっと

私との時間を丁寧になぞりながら

明日はどんなことが起こるんだろうって

胸はずませてる

 

嫌いじゃない 当たり前だけど

彼のような人には初めて会った

 

私きっと 憶病や苦しさが

いつも先回りしてる

誰にもこの心は侵させないと

言い聞かせてる

 

応えきれない想いなら

突き離してみるのもいい

応えきれない想いだからこそ

大事にしてみるのもいい

 

揺れてる

 

こんな私を想ってくれるなどと

どこまで奇跡に溢れるこの世界は

 

私は見る

彼がいつか笑顔で染まる日を

 

静けさが眠りを誘うけど

どうしてだろう 夢に落ちない

 

彼はきっと

私の仕草や少しの意地悪を

申し訳ないくらい気にかけてる

胸わずらわせて

 

迷惑じゃない むしろきっと

彼のような人になりたいんだろう

 

私きっと 怖くてたまらない

いつも震え続けてる

誰にもこの苦しみ分からないと

壁をつくって

 

応えきれない想いだと

突き離してみるのもいい

応えきれない想いだなどと

決めつけなくてもいい

 

揺れてる

 

こんな私を想ってくれるなどと

どこまで奇跡に溢れるこの世界は

 

私は見る

彼がいつか笑顔で染まる日を

 

彼もきっと

―hopeless

景色を見ないお前

この星はつまらないものだと嘆くお前

 

意地みたいになって

俯いてた隅っこの席

 

もうすぐ着く

疲れた人の群れ

ホームに飛び込む

帰りつく

別に安心もできない部屋

 

泣くな、泣くな、泣いたら負けの

戦いが今

誰も誰のことも気にしない都会で

始まって静かに終わる

 

どうせなら暮れてくれ

今日は少し早いから

夕餉のじんわりが

ささやかな懐古が

 

明日もゆく

朝から人の群れ

ギリギリ飛び乗る

行き着く

つまらないとすら吐かないままで

 

泣くな、泣くな、

泣いてもいいと歌う彼女は

素知らぬ顔で通り過ぎ

輝きの中に消えるのだから

 

泣くな、泣くな、泣いたら負けと

言い聞かすほか

誰も誰のことも気にしない都会で

息は続かない

liar


liar

酔うわけでもなく
ただふらつく足引き摺り

雨に濡れた夜の道を辿るだけでも
癒せないや

liar
1人でも 
抱いてくれる腕を探した夜

liar
嘘でも
結ばれたいなどと願ってしまった夜

嘘でも
1人でも
liar
liar

なぞる指絡む時
苦しみさえ証に

あなたじゃない
誰かじゃない
神様でもなく
自分への

liar
もういいよ
好きなだけ抱いて壊してほしい

liar
何処かへゆけるなら
いっそ手段は選ばないわ

嘘でも
この身に余る

liar
1人でも
抱いてくれる腕に縋った夜

liar
嘘でも
救われたいなどと願ってしまった夜

嘘でも
liar
liar
liar

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

あのね、僕ね、

人間のフリをしてみたんだ。

むずかしかったよ。

あのね、僕ね、

泣いたり笑ったりの

人間になりたくて

あのね、僕ね、

食べたり眠ったりの

人間になりたくて

 

どこかの星からやって来た

僕はひとりでやって来た

誰かの為か分からないよ

僕の心かも分からないよ

 

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

むずかしかった。

 

こんなに言っているけど

僕も いつまでも いつまでも

 

人間のフリをするのはむずかしいいんだろうな。

よろこびの夜


よろこびの夜

ジングルベルのない道も 12月には変わりなくて

やたら輝く街を出てここまで来たの

 

降り来る雪を払う

 

遠くて泣きたくなるよ

悲しみも どうせなら近くにいてくれればよかったのに

 

懐かしむ人も無いから 淡々と歩を進め

1000年前の息吹とは話すことできるの

 

あぁ僕はひとりで

 

遠くて泣きたくなるよ

誰かには伝わる 近づける気がする

希望的観測(ねがう)夜

 

どうして泣きたくなるの

魂よ

時はそう 思うより早く過ぎてゆく

 

降り来る雪は積もり

あぁ僕はひとりで

 

遠くて泣きたくなるよ

悲しみも どうせなら近くにいてくれればよかったのに

 

どうして泣きたくなるの

ラララ

メロディーに呼ばれた よろこびの夜ね

あぁ ひとりの道

homesick

強がっているわけでも

カッコつけてるわけでもなく

ホームシックになったことなど

ただの一度もない

 

愛されたあの子には

人を想うあの人には

死ぬまで死んでもわからないだろう

この清々しさ

 

隣り合わせにあるのはきっと

むなしい、さみしい、たくましい

しいて言うなら元の星が恋しいわ

なんてね。

 

愛に飢えた者は笑われるか

どこに行っても大丈夫なんじゃなくて

どこに行っても大丈夫じゃないからこその

強み

 

狭い日本の中で都市から都市へ

何だって言うんだ

恋しくなるのは本当のふるさと

言わないけどね

 

隣り合わせにあるような気がして

なのに遠いね貴方の声が

やっぱ言わせて元の星が恋しいわ

なんてね。

 

ホームシックにかかる幸せ

あのコは知らない宇宙のハナシ

秘密よ

この優越感めいたものを退いたら

本当に空っぽになるから

 

隣り合わせにあるのはきっと

むなしい、さみしい、たくましい

しいて言うなら元の星が恋しいわ

なんてね。

音楽の理由

NO MUSIC, NO LIFEを掲げる街の真ん中で

叫びたいけど叫べないこと

生まれてこのかた抱えたものを

 

誰か聞いて

胸の底まで分かって

大丈夫だって言ってよ

 

どこまでも自分勝手が

たった1人で暴走してるだけさ

静かに

理由なんてそれだけ

 

NO MUSIC, NO LIFEの美しさ、そう眩しさに

こんな汚い魂が同類項には入れない

 

誰か聞いて

言いたいことが山ほどあるの

気づいてくれるだけでもいい

 

NO MUSIC, NO LIFEを掲げる街の真ん中で

必要だからやるんじゃなくて

湧き出たものがソレだったの

 

誰か聞いて

胸の底まで分かって

大丈夫だって言ってよ

 

捻くれ屋の自意識が

たった1人で暴走してるだけさ

静かに

理由なんてそれだけ

息吹の中

春風に立ち 空を見る

どれだけの涙が流れたか

 

人々にとり 僕は何

問いかけるほど分からなくなる

 

ただ1人立つ丘は 神も見えぬ

どこからか鐘の音が

きっと幻

 

何十年の生命を託され励むのに

一瞬毎の色を成す

胸に住まう息吹

 

この人ひとり在るために

どれだけの涙が流れたか

遠ざかるより繋ぎたい

人々の手に 神の目に

 

揺れる葉に触れてもその根は見えぬ

どこまでも孤独だと言い聞かせる

 

春風が吹く中で望み望まれるなら

思い出や涙さえ捨ててしまえるよ

 

人々にとり僕は何

問いかけるほど分からなくなるけど

 

それでも1人生きるより

どれだけの涙を流しても

 

遠ざかるよい繋ぎたい

人々の手に 神の目に

 

春風に立ち 空を見る

川と風の日

通りすがりの苦しさだった

やさしい陽を受けるとは

まさかこの背も思ってなかっただろう

 

川の流れ思い描いてた

歌に出てきた嵐山

やっと来られた

1人きりだけど

誰にも知られぬように

小さく口ずさもう

 

制服の彼ら彼女らには

分からないよなんて嘯いても

重荷抱えたふりをする

自分が可笑しくなるだけさ

 

通りすがりの苦しさだった

朝の風がゆくときは

少しこの背を伸ばしていたいような

 

異国の人と橋を渡る

なんとなくで安らぎを

分け合っているなんて

思いこんでみたり

 

せせらぎはいつまでも

続かないよなんて先走るクセ

ぼーっと眺めている分には

ひととき何も感じなくていいんじゃないかって

 

通りすがりの苦しさだった

優しい陽を受けるとは

まさかこの背も思ってなかっただろう

 

川を下る船を見ていた

歌に出てきたその景色だ

やっと来られた

1人きりでも

 

通りすがりの苦しさだった

思えただけでも

来てよかった

いちにちを巡らせる

気がついたら夜

あのコが怯えてた夜

闇が襲う

声もなく

堕ちてゆく眠り

 

気がついたら朝

彼が怯えてた朝

光の眩しさに

逃げ場なく

照らされる己

 

気がついたら昼

あの人が怯えてた昼

忙しなく

動く街

こなしてゆかなければ

 

気がついたら夕べ

私が怯えてた夕べ

暮れてなずむ

その瞬間

引きずられてゆく

 

一日の何所をとっても

心休まることなく

誰かが嫌って怯えていなければならないの

 

夜にはあのコに寄り添って

朝には彼とともに光を浴び

昼にはあの人とともに走る

夕べは私の手をとって

 

何とか巡ってゆけたらいい